UKギターロックの新しい息吹【Yuck – Yuck】

どうも!yaboriです!

今日紹介するのはYuckというバンドです。

このブログを見ている方の中にもしかしたらCajun Dance Partyというバンドをご存じの方もいるんじゃないでしょうか!?

今回紹介するのは彼らが始めた新しいバンドです。

2010年はUKのギターロック勢の停滞ぶりが著しい年であるように感じられた。

空前のUSインディロックブームに沸く一方で、UKロックは鳴かず飛ばずであった。

そんな状況を苦い思いで見つめていた僕みたいなリスナーに朗報を告げるのは、元Cajun Dance Partyのメンバーだった、ダニエルとマックスが結成したYUCKというバンドだ。

YUCKのこの作品はUKギターロックとUSインディーの橋渡しをするだけでなく、UKロックのシーンを牽引するような作品である。

Yuck
Fat Possum Records
発売日:2011-02-15

【YUCKとは】
YUCKの前身はCajun Dance Partyというバンドが母体である。

そのバンドからボーカルのダニエルとベースのマックス加わり、女性ベーシストと男性ドラマーが在籍している。

日本人とアメリカ人、イギリス人という多国籍なバンドである。

彼らの音楽は90年代オルタナと昨今のUSインディーを足したようなサウンドである。

バンド名のYUCKとは日本語の意味では『オエッ!』とかグロテスクであるものを指すそうだ。

ジャケットのグロテスクさとは裏腹に清涼感のある音楽を作っているというギャップも面白い。

【内容紹介】
YUCKの魅力について述べる前に、Cajun Dance PartyとYUCKの違いについて簡単に紹介しようと思う。

Cajun Dance Partyはダニエルのエモーショナルなボーカルを前面に押し出すスタイルのバンドであった。そういう意味ではロックバンドというより、いい意味でポップバンドであった。

しかしYUCKはダニエルのボーカルは控えめに、バンドとしてのサウンドを前面に押し出すスタイルを採っている。

それはダニエルがCajun Dance Partyではなく、本格的なバンドをやるという意思表示であると僕は受け取っている。

実際に彼等のインタビューを見ているとダニエルはポップなバンドよりも、90年代のようなオルタナバンドをやりたかったそうだ。

その本格的なバンドを目指したYUCKの今作『YUCK』の魅力とは秀逸なソングライティングとメリハリのあるサウンドである。

まずソングライティングに関して、今の若手バンドよりも頭一つ飛び抜けている。

それもそのはずでダニエルとマックスが在籍していた、Cajun Dance Partyは『恐るべき子供たち』と評価され、セールスも好調であった。

だからソングライティングには定評があり今作に至っては捨て曲というものが存在しない。

次にメリハリのあるサウンドであるが、疾走感のあるギターロックとアコースティックギターによる温もりのある曲とがバランス良く共存している。

なお一聴した感じでは疾走感のあるギターロックだと思ったが、聴き込むにつれ昨今のUSインディー勢に見られるような、ニューゲイザー要素も少なからず存在している。

それはThe Pains of Being Pure at Heartの1stの様にギターエフェクトを用いて、時には轟音やギターノイズを奏でることにより音楽としての奥行きを表現しているように思うのである。

激しい曲から一転して、アコースティックを使用した曲はゆったりとしたテンポでダニエルがしっとりと歌い上げる。

そこに女性ボーカルのコーラスが絡み清涼感をもたらしてくれる。

そんな今作のメリハリの中核を担っている曲を紹介しようと思う。

まず彼らのデビュー曲のGeorgiaはまさにUSインディーと90年代のオルタナティブロックの橋渡しをするような曲である。

USインディーバンドのThe Pains of Being Pure at Heartというバンドの1stに似ているおり、ボーカルもダニエルから女性ボーカルに変わっている点も見逃せない。

(Yuck – Georgia)

次にShook Downという曲はアコギを用いて、ミディアムなテンポで奏でられる。後半のギターノイズと織り成す、ドリーミーなサウンドも魅力である。

(Yuck – Shook Down (Live on KEXP))

Holling Outでは掻きむしるようなギターワークが印象的で、疾走感抜群の曲である。彼らの90年代オルタナに対する愛着を直接表現しているような一曲である。

(Yuck – Holing Out)


※ちなみにこのPVはyoutubeでもR18指定になっているなかなかの問題作です(笑)

以上のような曲を聴いていると、今作の
ようなサウンドこそがダニエルにとっての『初期衝動』なのではないかと思う。

もしそうであればダニエルは今自分の理想とする音楽を奏でているのだろう。

ダニエルの理想が込められたこの傑作がUKギターロックの新しい息吹になる事を願うばかりだ。

【関連するアーティスト】
Cajun Dance Party/Sonic Youth/The Pains of Being Pure at Heart/Silversun Pickups

【Twitter】
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