【00’sRock】Beck – The Information

Interscope Records
発売日:2006-10-03
フォーク、カントリー、ヒップホップ・・・多くの音楽を呑み込んで、聴いたことのないような音楽を作る天才シンガーソングライター、Beck。彼は色んな楽器を弾けるマルチプレーヤーであり、映画のサントラやプロデューサーとしても活躍している。彼の出世作は色んな音楽をサンプリングした96年の『Odelay』だと言われているが、本作も様々な音楽を解体しては、繋ぎ合わせ1つのものを作っているという意味では『Odelay』に近い路線の作品である。Radioheadを手掛けてきたナイジェル・ゴッドリッチにプロデュースを任せた本作は、ベックの編集能力をフルに活かしたパッチワークのような作品だ。繋ぎ合わせる技術もさることながら、彼の音楽を聴いている量にも驚かされる。ヒップホップのビートを下地に、コーラスやストリングスを重ねたアレンジなど練りに練ったもので、幼少期から様々な音楽を聴き込んだ彼にしか作れない一枚である。そして今作はサウンドだけでなくアートワークにも楽しめる仕掛けがある。それはランダムに入れられた4種類のステッカーで自由にジャケットを作れるというものだ。本人によれば、『リスナーが受け身の立場ではなく、誰もがアルバムに参加できるということ。僕自身、生まれてからずっと音楽のオーディエンスでもある。だからこそ自分でも音楽を作るし、演奏もする。音楽に接すると、何かを受け取るでしょ。パワーを受け取って、何らかの形で参加したくなる。だから、みんな音楽に夢中になるんだ。』とある。CDはただ聴くだけのものではなく、ジャケットという形で自分だけの一枚を作れるということを訴えたかったのだろう。音楽だけでなく、CDというフォーマットの可能性をも追求したBeckのアイデアには驚かされるばかりだ。

【Cell Phones Dead】

【Beck – Soldier Jane】

【Beck, The information, TV advertisement】

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コメント

  1. より:

    ちょっとハードル高いかもしれないのですが、ライターを目指されてるのであれば、載せる媒体を具体的に意識して、それをレビュー毎に変えて書く訓練をしてみてはどうでしょうか。
    今の文体というか形式は良くも悪くも確立されてしまっている気がしますし、惰性で量産できるものになってしまっていると思います。
    文体とは内破され更新されていくべきものなので。
    後、これも指摘されてるかと思いますが批判記事を敢えて書くのも大事です。
    今のままではレコード屋の販促POPの拡大版の域を出ないですし、ここで甘んじてはいけないかと。
    長々と失礼しました。