【Live Report】ASIAN KUNG-FU GENERATION@大阪城ホール2/26

高校の時にアジカンを聴き初めて、初めてライブに行ってきた。会場に入ってみると、ステージにはブラウン管のテレビが60~70台くらい、ばらばらに設置されていた。彼らのライブは毎回演出が凝っているので、今回もどういう仕掛けなのか楽しみであった。そのうち会場が暗転し、テレビが一斉に光出し主役が登場した。

一曲目は『迷子犬と雨のビート』、二曲目に『Re:Re:』とベスト以外の選曲が続いた。ベストアルバムのツアーだったので、セットリストの大半はシングルが占めるのではないかという不安があった。しかしゴッチが途中MCで言ってた通り、『やりたい曲を今やる』という選曲で、その不安は杞憂に終わった。冒頭で触れたテレビはその間、演奏に合わせて数字や歌詞等の映像を映し出していた。

MCを挟んで始まった曲は『夜のコール』。Nano mugenコンピにしか収録されてない曲だ。

『全てが行き詰って そんな時代になった
音楽は既に在って
僕たちは何を歌うの?』 

MCではゴッチが震災や原発問題に触れ,当時「音楽を鳴らすことなど全く考えられなかった」と言っていた。そして今僕らが考えるべきは『持続的開発が可能な社会』であると。彼は新聞も発行し、ミュージシャンの中で今最も社会的な活動をしている一人だ。今回のセットリストは彼の言葉とリンクするような曲が多かった。この歌詞はまさにそのメッセージを反映したもののように感じた。

ライブで盛り上がったのは『藤沢ルーザー』、『リライト』、『君という花』だった。『リライト』では酔杯DVDで観た時とは違ったアレンジがあり、『君という花』では前述したテレビに当時のPVが映り、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。新曲の『マーチングバンド』と『踵で愛を打ち鳴らせ』も演奏し、『マーチングバンド』では音源で聴いていた時以上に音に重厚感があった。

『Re:Re:』や『君という花』等の曲は昔からずっと聴いていた曲なので、高校時代の時や大学時代の時を思い出し、自然と目頭が熱くなった。今までの記憶がフラッシュバックし、彼らに対する思い入れを強く認識した。初めてロックという音楽を教えてくれたのは『リライト』であり、洋楽を知ったきっかけもNano mugenコンピレーションの『Ash』だった。そういう意味で、自分の原点に戻るようなライブだった。この日観たアジカンは当時自分が知った時とは、比べものにならないバンドになっていた。『リライト』は16000人がシンガロングする曲になり、ゴッチは社会活動を始め、歌詞も社会に眼を向けるようになった。その流れで、マジックディスク辺りの曲でライブを終えるのかと思っていたが、最終曲は彼らが最初にリリースした『遥か彼方』だった。彼らも自分と同じく今日のライブを原点に戻ることと捉えたのだろうか。それは偶然だろうけど、最後までオールドファンに尽くしてくれて嬉しかった。これからも彼らをずっと応援しようと思う。

【セットリスト】
迷子犬と雨のビート
Re:Re:
アンダースタンド
君の街まで
夜のコール
アフターダーク
或る街の群青
ブラックアウト
真冬のダンス
ムスタング
ソラニン
マーチングバンド
惑星
融雪
藤沢ルーザー
リライト
ループ&ループ
君という花
さよならロストジェネレイション
海岸通り

【アンコール1】
踵で愛を打ち鳴らせ
転がる岩、君に朝が降る
ワールド ワールド ワールド
新しい世界

【アンコール2】
電波塔
遥か彼方

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