東京から素晴らしい才能がまた一つ現れた。
日本でもチルウェイブの芽が確実に育っていることを証明する一枚になりそうだ。
彼女の名はCanopies and Drapesと言い、エイミー・ザ・グレイトの曲から名付けられたそうだ。
僕はそのことをPSHANDYというブログで知り、一聴しただけで衝撃を受けた。
一聴した印象では、DOMやMGMTの初期EPを思わせる『Love Always Remains』のようなシンセポップなのかと思った。
しかし縁あって先日ライブに行った際、もっとリアルにどういう音なのか体感することが出来た。
彼女のライブからは初期MGMTに通ずるカラフルなサイケデリアと、Washed outのベッドルームからダンスフロアへ緩やかに移行する甘いシンセが共存していた。
彼女の最大の魅力は過去の素晴らしい遺産を自らに落とし込んで、新たに解釈を付け加えるセンスというかその編集能力にあるのだろう。
色んな音楽からずるいほど美味しいとこ取りしているのだ。
CDをよくよく聴きこむと、先に挙げた以外にも初期マイブラ、ライド、などの90年代のバンドの名が挙げられそうなシューゲイザーギターポップの曲すらあったほどだ。
そして彼女の最大の伸びしろはボーカルにあると思う。
WHY DON’T YOU KILL ME ?という音楽ブログには『スタイリッシュなゼロ年代から歌に向かうテン年代へ』というものがあったが、僕もまさにその通りだと思っている。
Washed outはまさにテン年代の要請に答えているように、サウンドとボーカルが高い次元で結実していた。
Canopies and Drapesがそういうアーティストと肩を並べるにはボーカルが最大の伸びしろになるように思う。
それでも日本からこのような才能が発掘されたと言うことは、日本のインディー界隈にも大きな期待が持てるだろう。