この記事は前回ミュージックレビューにて載せたバンドですが、今回はこのブログでも動画や写真などを出来る限り取り入れて、このバンドを紹介したいと思いブログを書きました。
このバンドはブルックリン発、現代にストレートなロックを提示するバンドで、メンバーはボーカル兼ギターのエイミーとドラムのノアの二人組。
バンド構成を簡単に言えば男女逆のホワイトストライプスで、彼らはニルヴァーナやソニックユース等の90年代のバンドからの影響を公言しています。
バンド名の由来は最初に作った曲が「naked hearts」だからなのだそう。
昨今のUSインディー・ブームのひとつの震源地ブルックリン。
そこではMGMTやpains of being pure at heartといった、様々なジャンルの音楽にポップネスをかけ合わせたようなバンドが次々と登場している。
その異種交配的なサウンドが生まれてきたブルックリンで起ころうとしている新たな地殻変動=「90’s リバイバル」。
そして今日紹介するNaked Heartsはそのシーンの最前線にいると言われているバンドである。
ただし、Naked Heartsの音楽は、前述の「ブルックリン的異種交配サウンド」ではなく、直球のロックンロール。
そしてそれはSonic youthやNirvana…つまり90年代を彷彿させるサウンドであり、僕は彼らの事を現代にストレートなロックを提示する、ブルックリンで最もクールなふたり組だと思っている。
例えばdeath from above 1979を思わせる激しいギターリフの後に、繊細でメロウなボーカルが交互に訪れる。
そんなメリハリが彼らの大きな魅力であり、それを体現しているのはヴォーカルのAmy(エイミー)である。
Amyのヴォーカルは時に曲へ暗鬱とした影を落とし、時に曲を輝かせるような光を与える。心の陰陽を曲によって表現を変化させることが出来る。
Call meという曲ではエイミーのボーカルが前面に出た繊細な曲である。ハードな曲が多い中で、作品にメリハリを与える曲だろう。
(Naked Hearts – CALL ME)
Mass Hysteriaはノアがボーカルを執り、激しいギターリフとエイミーのコーラスの3つが交差する激しい中にも繊細さがある名曲だ。
(Naked Hearts – Mass Hysteria)
One False MoveではSonic Youthを彷彿させるようなギターに、エイミーのボーカルが刺さる先鋭的な曲だ。
(The Naked Hearts – One False Move live)
エイミーのヴォーカルは「シェリル・クロウとキム・ゴードンのコラボレーション」と評されていたりする。
女性ヴォーカルという共通点がありつつも、どちらも畑違いの音楽の両者が引き合いに出されたこの評価は非常に的を得ている。
(シェリルクロウ – Shine Over Babylon)
(キムゴードン「Sonic Youth – Tunic (Song For Karen)」)
つまりエイミーは、グランジとポップスの間を行く魅力を持った稀有なヴォーカリストだということだ。
彼女がいるからこそ、バンドのハードなサウンドも、グランジ特有のダーティーにだけ囚われない。
現代でストレートなロックを提示できるNaked Hearts。
やはり彼らはブルックリンで最もクールなふたり組だと思うのだ。
【For Fans】
Sonic Youth/Nirvana/シェリル・クロウ/death from above 1979
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