繊細な感情を歌に乗せて【Pains of Being Pure at Heart/Pains of Being Pure at Heart】


どうも!yaboriです!

今日紹介するのは少し前にセカンドアルバムを出したPains of Being Pure at Heartというバンドのファーストです。

最近自分は会社の帰りにこればっかり聴いてる個人的な愛聴盤でもあります。

Pains of Being Pure at Heart
Slumberland Records
発売日:2009-02-03

ペインズの魅力は圧倒的なピュアさとソングライティングの良さにある。

まずそのピュアさなのだが、なぜ彼らは触れば消え入りそうな程のナイーブなフィーリングを湛えているのだろうか?

その秘密はバンドの結成にある。

インタビューによると彼らはお互い友人同士で、誕生日パーティーの出し物で演奏する為にペインズを結成したのだそうだ。

だから彼らの音楽は無邪気さに溢れ、学園祭のライブのようにピースフルな空気で鳴らされるような初々しさがある。

何より凄いのが、その触れれば傷つきそうな空気を真空パックして僕らに届けてくれているということだ。

つまり彼らの音楽は怖いものを知らずに、無邪気に遊び回る子供みたいなピュアを保ったままこの音楽を作り上げたのだ。

思うに子供が大人になるということは様々な可能性を試し、時には否定され、自分の限界を知るというプロセスなんだと思う。

もしそうなら彼らは時には人から否定されされたかもしれないが、今なお自分達の可能性を信じ続けているのではないだろうか。

イチローはかつて『子供のまま大人になったような選手ほど用心しなきゃいけないものはない』というニュアンスの言葉を残しているが、それはまさにペインズにも当てはまるのではないか。

恐れを知らない選手は自分の可能性をどこまでも信じる事ができるから、時に凄まじいパフォーマンスを発揮できるということだと僕は解釈している。

そして野球とは全くフィールドが違うものの、ペインズ信じる可能性は天井知らずの抜群のソングライティングに現れているのだろう。

Young Adalt Flictionという曲では、ヘタウマなボーカルとシンセに思春期特有の甘酸っぱいフィーリングが溢れているのが、何とも愛しい曲である。

ラストのボーカルとコーラスの掛け合いが僕たちに思春期に感じた感情を思い出させてくれることだろう。

(The Pains Of Being Pure At Heart – “Young Adult Friction” Super 8)

Everything With Youで特徴的なのは、間奏でのギターだろう。今作の中では珍しく、意識的に輪郭をハッキリさせたギターがサウンドにメリハリを持たせている。

(The Pains Of Being Pure At Heart – “Everything With You” Super 8)

Stay Aliveという曲では、アコギの温もりが印象的に仕上がった。

彼らのナイーブさと、アコギの繊細な響きがマッチしている名曲である。

それを下支えしているのは、間違いなく天井知らずのソングライティングスキルに他ならない。

(The Pains Of Being Pure At Heart – Stay Alive)

ペインズは、眩い程のピュアさと抜群のソングライティングをレコードという形で半永久的なものにしたのだ。

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