黒人音楽への愛情【Primal Scream/Scremadelica】

どうも!yaboriです!

今日はPrimal ScraemのScremadelicaという作品を紹介します。

まず初めにこの作品はロックの名盤であり、色んな雑誌やディスクガイドに90年代の名盤というコーナーでは必ずと言っていいほど、紹介されている作品だ。

そして僕は今までこの作品を聴くことなく2011年を迎え、サマーソニック11でプライマルがスクリーマデリカだけのライブをやると聴いて、この作品にトライしてみた。

名盤と聴いていたがなぜ今スクリーマデリカだけでライブをするのか?という事が最大の興味であった。

実際に今作を聴いてみると僕の予想の上の上を行く作品であった。

実はスクリーマデリカは最初レコード屋で借りたのだが、リマスターの新譜を買ってしまう程の大名盤だったのだ。

そもそもスクリーマデリカの音楽とはどのようなものだろうか。

今作ではギターロックを基盤に、ゴスペル、JAZZ等のブラックミュージックから影響が多々伺える。

このアルバムが何よりも強烈なのはそれだけでなく、クラブミュージックやインド音楽からも触れ幅があるという事だ。

今作はよくダンスミュージックとロックがクロスオーバーした作品だといった観点から語られる作品だと思うが、

僕はそれ以上にこの作品から彼らの黒人音楽への愛情を感じた。

その愛情は1つ1つの楽曲から滲み出るものがある。

Movin’ on upではギターロックを基調とし、ゴスペルを盛り込みことで、ソウルフルに味付けされている。

(Primal Scream – Movin’ On Up live Glastonbury 2003)

Slip inside this houseはサイケデリックなダンスミュージックなのだが、サウンドの根底にはアフリカ音楽を彷彿させるようなパーカッションがある。そしてその隠し味はインド音楽特有の楽器シタールだ。

(PRIMAL SCREAM ‘SLIP INSIDE THIS HOUSE” SCREAMADELICA @ LONDON OLYMPIA, NOVEMBER)

Higher than sunではダークなエレクトロビートとパーカッションを融合させ、プライマルスクリームだけの帝国を作り上げているような錯覚を覚える。なおダークな響きのあるサックスもこの曲の聴き所である。
(Primal Scream – Higher Than The Sun – Video )

ほとんどの曲において色濃く黒人音楽へのアプローチがあり、尊敬のまなざしを感じることができる。

なので僕はこの作品の本質には黒人音楽への愛情があると思っている。

さてなぜ今彼らはスクリーマデリカをやろうと決意したのだろうか?

スクリーマデリカが発売して20年経ったからであろうか?

僕はそれ以上に異種交配を繰り返す現在のインディーロックへの90年代からの回答ではないかと思う。

それはどういう事かと言うと、スクリーマデリカとは楽曲のアイデアの多くを黒人音楽から引用した作品である。

その異種交配ぶりは、現在のインディーロックシーンが過去の音楽から引用し、自分たちの楽曲を作り上げるプロセスとよく似ている。

例えばVampire Weekendはアフリカ音楽を引用してインディロックの文脈に落とし込むことに成功し、MGMTは60~70年代のサイケフォークを引用し、自らのルーツを提示する傑作を作り上げた。

つまりスクリーマデリカライブとはそんなインディーシーンへの90年代からの挑戦状なのではないだろうか。

『オレたちがホンモノだ』と言わんばかりに。

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