福居良(Ryo Fukui)が1976年にリリースしたデビュー・アルバム『Scenery』を始め、福居の過去作品が次々とリイシューされている。
海外では『Scenery』のフルアルバムの動画の再生回数は1137万回(2021年7月23日時点)を超えており、再評価の波が押し寄せている。
どうして『Scenery』は時代や国を超えて評価されているのだろうか?
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福居良とは
福居良(Ryo Fukui)は北海道出身のジャズミュージシャンである。
22歳の時、独学でピアノを弾き始め、5年後にトリオを結成し、デビューアルバム『Scenery』をリリースする。
これまでに5枚のアルバム(1stアルバム『Scenery』、2ndアルバム『Mellow Dream』、3rdアルバム『My Favorite Tune』、
4thアルバム『Ryo Fukui in New York』、5thアルバム『A Letter From Slowboat』)をリリースし、1995年にジャズ・クラブ“スローボート(Slow Boat)”を開店。
2012年に札幌文化奨励賞を受賞し、2016年に逝去した。
近年は海外での再評価が著しく、Youtubeで『Scenery』のフルアルバムの動画の再生回数は1137万回(2021年7月23日時点)を超えており、過去作のリイシューも行われている。
Scenery
福居良(Ryo Fukui)の『Scenery』との出会いは、Youtubeの関連動画であった。
最初、『Scenery』のアルバムジャケットを見た時、ジャズだとは思わなくて日本の70年代のハードロック・バンドかと思った。
普段はジャズはおろかインスト系の音楽はほとんど聴かないのだが、どういう訳か福居良の音楽はとてもしっくりくるものがあった。
柔らかさがありつつも、絶えず緊張と弛緩を繰り返す演奏がとても心地良い。
どうしてジャズの中でも福居良だけに特別興味を持つのか調べてみると、福居がピアノを始めたのは22歳の時だという。
最近のバンドで例えてみると大学でギターを始めて遅いほうだと言われることがあるのに、22歳で独学でピアノを始めるとなるとかなり遅いスタートであったに違いない。
ハンデに立ち向かうように妥協のない演奏を繰り広げる福居の人間性が音楽に出ており、それに惹かれたのだろうかと思う。
Early Summer
『Scenery』に話を戻すと本作の聴きどころは息をつく暇もないスリリングな演奏を繰り広げる「Early Summer」である。
トリオが真正面からぶつかり合う様はロックを聴く時にはないスリリングさがあり、これこそがジャズの醍醐味なのではないかと思う。
ということで、久しぶりにこの“時代を超えたマスターピース”というブログを8年ぶりに更新したのだが、
ブログのタイトルにふさわしい時代を超えて愛される名盤こそが『Scenery』に違いない。
アルバム
5thアルバム『A Letter From Slowboat』
発売日: 2015年7月9日
4thアルバム『Ryo Fukui in New York』
発売日: 1999年
3rdアルバム『My Favorite Tune』
発売日: 1994年8月5日
2ndアルバム『Mellow Dream』
発売日: 1977年12月21日
1stアルバム『Scenery』
発売日: 1976年12月21日
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福居良プロフィール
“1948年平取町生まれ。18歳でアコーディオン、22歳でピアノを始める。76年にファーストアルバム『Scenery』を発表して以来、これまでに4 枚のアルバムをリリース。美しい旋律のオリジナル曲と、力強くスウィング感あふれるビ・バップスタイルの演奏で多くのファンを魅了している。現在は札幌のライブハウス「スローボート」を拠点に全国で活動中。2012年にはジャズピアニストとして初めて札幌文化奨励賞を受賞した。2016年3月15日逝去。”
福居良代表曲(Youtube)
- Ryo Fukui 福居良 – Mellow Dream メロウ・ドリーム (Live at Vidro’77) | (Official Audio)
- Ryo Fukui 福居良 – Autumn Leaves
- Ryo Fukui 福居良 – https://youtu.be/F5EFsUU7RRA
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