どうも!yaboriです!
前回の特集は良い反響があって嬉しい限りです♪
さて今日は早くもTwitterで絶賛されているMetronomyの『English Riviera』という作品を紹介します。
English Riviera
メトロノミーの今作『English Riviera』はレイドバックした雰囲気から始まる。僕はメトロノミーの過去作品は聴いていないが、エレクトロ畑出身のアーティストだという認識はあったので今作のジャケットに意表を突かれた。
それ以上に中身のサウンドはもっと意外なものであった。ジャケット通りリゾート風のレイドバックしたサウンドなのだが、中には「the look」のようなDoorsを彷彿させるようなオルガンによるヴィンテージサウンドもあるのだ。
エレクトロに分類されるアーティストなのに、レイドバックしたサウンドを鳴らす…こんな音楽だから掴み所がなく、エレキングのレビューでは拠り所のない音楽であると言っており、ジャンルにカテゴライズするのは難しいとのことだ。
確かにエレクトロ畑のアーティストがこんなにもゆったりとした音楽をやってしまったらジャンル分けは困難だろうと思う。
ならば何故こんな音楽を作ったのだろうか?という事が気になり今月号のスヌーザーを読んでみた。
彼らのインタビューで僕が興味深いと思ったポイントは大きく分けて2つだった。
1つは今作は自らのルーツを振り返るような作品であったこと。
2つ目はイングリッシュリビィエラというコンセプトは、半分虚構であり半分現実というものだ。
自らルーツを振り返るような作品というのは、前回特集で取り上げた3バンドにも共通して言えることだ。
つまりメトロノミーもどういう訳か昨今のインディーブームに見られるようなルーツを振り返るようなノスタルジーに満ちた作品を作ったということだ。
それがこんなにもゆったりとした作品を作り上げ、そのルーツは70年代の西海岸に根ざした音楽だと言っている。
もう1つの半分虚構で半分現実というのは、このジャンル分けしにくい作品を分けるキーワードになりそうだ。
これは異論があるかもしれないが、僕はメトロノミーの今作をジャンル分けするならサイケというのも一つの選択肢だと思っている。
それは「the look」を聴いた時にふと思ったのだが、半分虚構で半分現実というインタビューを見てこの可能性を言及しようと思った。
もともとサイケとは、13th floor elevatorsというバンドから派生していった音楽で、13thはガレージロックの中にドラッグのトリップ感を表現した音楽だった。
つまり当時ガレージロックとは今までにあった現実的な音楽で、13thはそこにドラッグによるトリップ感覚を表現するという今までにないものをガレージロックに取り入れたのだ。
それにより13thの音楽は現実と非現実が入り混じったような奇妙な感覚を手に入れることになったのだが、ここから現実と非現実という構図はサイケに根付くことになった。
その現実と非現実が入り交じった奇妙な感覚というサイケに根付く構図は、今作の半分虚構で半分現実というコンセプトに合致するものではないだろうか。
なおサウンド面でもサイケからの影響を伺う事ができる。一番顕著なのは「the look」である。
この曲で用いられているオルガンの音は、そのままDoorsを彷彿させるものだし、
Metronomy – The Look
「everything goes my way 」はLOVEの「forever changes 」のような60年代のLAシーンの雰囲気を感じ取ることもできる。
以上を踏まえて僕はメトロノミーの今作をサイケにも分類できるのでは?と思ったのだ。
しかしアルバムの後半に行くにつれて、エレクトロ色が強くなることもありサイケというのはこのアルバムの分ける指針の一つに過ぎないだろう。
今作はインタビューにもあったように、色んな解釈ができる音楽だろう。
リスナーの様々な解釈を語り合うことができるのも今作の魅力の1つかもしれない。
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