Congratulations
アーティスト:MGMT
Sony(2010-04-13)
おすすめ度:
販売元:Amazon.co.jp
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1. It’s Working |
2. Song for Dan Treacy |
3. Someone’s Missing |
4. Flash Delirium |
5. I Found a Whistle |
6. Siberian Breaks |
7. Brian Eno |
8. Lady Dada’s Nightmare |
9. Congratulations |
MGMTの新作は信じられないレベルの大傑作だ。
そもそも彼らの1stは大ヒットしたエレクトロアルバムである。
しかし今作はサーフ・サイケ・ポップである。
サーフ・サイケ・ポップって表現が分かりにくいけど、要するにフジファブリックみたいな感じ。
だからナカタヤスタカがフジファブリックのような音楽をやると言ったら分かり易いだろうか。
MGMTにとって2ndはかなりの畑違いのアルバムでありながら、素晴らしい作品を出したという英断とそのクオリティに惜しみない賛辞を送りたいと思った。
それで内容に関して、1stはエレクトロで一つのビッグアンセムが流行っては消えていくような消費の早いアルバムであったが、今作は流行に流されることのない深さと渋みがある。
特にM6のSiberian Breaksは10分という長い曲でありながら、一秒も退屈して聞く暇もないほどの音の洪水が押し寄せてくる。
10分という曲の中身は2~3分の曲が4つほどあり、その曲のテイストが全部違うのである。
1つはThe Doorsや1つはGirls、Kula shaker等の渋みのあるバンドの曲を横断するような贅沢過ぎる10分がとめどなく押し寄せてくる。
(Siberian Breaks)
※このPVはSiberian Breaksの一部
フジファブリックの曲のような陽気で風変りでゆるいメロディーが印象的な
Song For Dan Treacy。
この曲もあらゆるところに趣向を凝らしている。特に1stで顕在であった音響効果を使い、盛り上げていく技の妙が光っている。
(Song For Dan Treacy)
正直言ってMGMTがこんなすごいバンドとは思わなかった。
新人の中でも音楽の渋さと深さをもち合わせながら、それをポップミュージックにする才能は圧倒的に抜きんでている様に思う。
ジャケットを見たとき、ダサいなぁというのが正直な第一印象だった。
視聴して、何となく面白そうという勘を信じて買って正解だった。
今のところ間違いなく2010年のベストアルバムである。