ブロンディのCDを見つけたのは、レンタルCDショップのパンクコーナーだった。初めて知った曲が『heart of glass』だったので、まさかそんな所にあるとは思わなかった。先の出来事はブロンディのパラレルラインズという作品が、1つのジャンルでは括れないことを示唆している。
洗練されたギター中心の演奏と、時おり入るキーボードは、パンクの枠には収まりきらない音の豊かさを生み出している。それは今作のプロデューサー、マイク・チャップマンのおかげだろう。彼はディスコサウンドを手がけることと、リズムを作ることにおいては名手といわれたそうだ。
(Blondie – Heart Of Glass)
当時パンクはディスコ音楽を何よりも忌み嫌ったそうだ。しかしブロンディは時代の流れに逆らった音楽を作った。これには大きな意味があると思う。なぜならブロンディの実験精神は、後にストロークス、特にジュリアンカサブランカスに受け継がれていったと思うからだ。
ジュリアン・カサラブランカスのソロ作『Phrazes for the Young』は、ストロークスの時とは一転して、キーボード主体のサウンドだった。その大元はこのアルバムにあるのではないかと思う。なおストロークスの代名詞である、磨き上げたアンサンブルに関しても、この作品から似ている部分を多く発見することが出来る。誤解を恐れずに言えば、ブロンディの演奏からキーボードを抜いて、タイトにするとストロークスのサウンドが出来上がる。
(Julian Casablancas – 11th Dimension Music Video)
(The Strokes – 12:51)
つまり『パラレルラインズ』はストロークス、特にジュリアン・カサラブランカスに多大な影響を与えた一枚だと思うのだ。
【関連記事】
【合評】Kula Shakerという唯一無二のバンド【Kula Shaker – K】
【合同企画Vol.2】相互インタビュー「洋楽を好きになったきっかけは?」
【合同企画Vol.3】上半期ベスト10~前編:対談とともに上半期を振り返る~
シーンに風穴を開けた作品【The Strokes – Is This It】
新たな2ndアルバム【Angles – The Strokes】
エレクトリックなロックンロール【Julian Casablancas – Phrazes for the Young 】
“【Cross Review】Blondie – Parallel Lines” への3件のフィードバック
去年くらいにブロンディのベストを借りたわー。
ラップを取り入れた曲なんかもやってるよね。出自はパンクなんだろうけど、ニューウェーヴを通過して80sのポップスな音を出してるよね。
言われてみればカサブランカスのソロに通じるところがあるかもしれないね。ニューウェイヴっぽいからかな?「Call Me」とかカヴァーしてもカサブランカスの曲として聴けそうなw
>たびけん
カサブランカスのソロはニューウェーブというか、Pet Shop Boysとか80’sっぽいなと。
何と言うかDisco音楽を意識してたのかなって感じで。
彼がブロンディの曲カバーしても、違和感なく聴けると思う!
僕もあっブロンディだ と思った(笑)